【映画鑑賞記録】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

映画鑑賞

ジョーのはつらつとした表情が印象的なプロモーションだったので、公開当初からずっと観たかった映画です。めったにない一人時間を確保したので、アマゾンでポチっとしました。便利な時代だわ~。(←とかいう時点で、年齢がある程度わかる)

2019年アメリカ映画

監督:グレタ・ガーウィグ

主演:シアーシャ・ローナン

私は勝手に「若草物語」のその後のお話だと思い込んでいましたが、これはオルコットによる原作「若草物語」の第一作と第二作にあたるところのようです。

「若草物語」はもちろん、読んだことあります。記録を探ってみると、なんと4年前にも再読していたにも関わらず、記憶が曖昧なところが多々ありました。

そもそも「若草物語」は1868年にルイーザ・メイ・オルコットにより発表された小説です。日本では第四作まであるとされていますが、本国では、第一作と第二作をもって「若草物語」というようです。(なので、全部で第三作とカウントするとかしないとか←リサーチ力よ)私の記憶では、姉妹の誰かが結婚したり、ジョーが独り立ちをする記憶がないので、第一作しか読んでなかったのでは、と推測しますが、でも、私の中でベスは亡くなっているのですよね・・・記憶の相違がとても気になるので、とりあえず、第一作と第二作がまとまっている本を購入しました。後日答え合わせをするのが楽しみです。

さて、肝心の映画の方ですが。良かったですぅぅぅ~。3分の1くらい泣いていた気がします。クリスマスの朝に近所の貧しい家に自分たちの朝食を届けるところなど、本でも読んだ記憶が残っていたので、「あぁ、あのシーンね」とわかっているのに、「こんなん実際できる?できんやろ~」と美しすぎるマーチ家の心に泣けました。という感じだったので、ずっと泣いていた気がします。

映画では1869年の現在と、過去(一番昔だとたぶん7年前)がかなり忙しく入れ替わります。この「現在」が本でいうところの第二作のところらしいです。四姉妹をはじめ、ローリーや周りの人も、現在と過去の見た目がそんなに変わらないので、ちょっとわかりにくいところもありましたが、四姉妹のかしましさ、そこにうまく入っていくローリーなど、一つ一つのエピソードのシーンは短いながら、この物語の良さを十分に映像化できているように感じました。しかしながら、ベスが猩紅熱にかかってしまうきっかけを思うに、今では考えられないことだなとちょっと寂しい気持ちになりました。コロナ以降、発熱やのどの痛みがあると他の人を遠ざけるのが当たり前になってしまって、もちろんベスは病気の子がいると知って訪ねたわけではないけれど、衛生状態がよろしくなさそうなところへ、我が子を向かわせるなんてこと、今ならないことだろうなと。キリスト教の博愛の精神をマーチ家は見事に行動に移していて、それゆえに裕福でないのですが・・・なんかこの美しい他人を思いやる心が全体を大きく見ると失われつつあることをどうしても感じて寂しくなりました。

なんとなく、メグとエイミー、ジョーとベスのペアがしっくりくると思っているので、ベスを失った辛さは、ジョーの気持ちになると、より一層、とてもとても悲しかったです。小説家になるという夢もうまくいかず、おそらくはジョーの才能を誰よりも認めていたベスがいなくなって、「家族がいれば幸せだと思っていたけれど、とても寂しい」と孤独感を母親に泣きながら吐露するシーンは、胸を突かれました。ローリーのプロポーズを受け入れていれば、というジョーに「それは愛ではない」と諭すマーチ夫人は賢明ですが、「愛されたい」というジョーの気持ちもよくわかります。だからこそ、ジョーの幸せは本当に本当に良かったと思いました。

ジョー役の女優さんはすごくジョーにピッタリでした。ジョーだけでなく、エイミーも小生意気な感じがピッタリだったし、ベスもお母さんも。お母さん(マーチ夫人)もとても威厳溢れる美しさが漂っていました。ただ、メグが、どうしても、ハーマイオニー・・・私が、現在進行形でハリーポッターを読んでいるからいけないのですが。エマ・ワトソンは悪くないんです。メグらしい華やかさも落ち着きもさすがエマ・ワトソン、というところでした。

ちなみに、この物語に暗い影響をおよぼすアメリカ南北戦争は1861年~1865年(マーチ夫人がボランティアか何かで、戦争で傷ついた人に物資を渡すシーンで「私はずっとこの国を恥じてきた」という一言がマーチ夫人の考えをスパッと表していて好きでした)。

余談ですが、「赤毛のアン」の発表は1908年。ふーん。なんとなく比較したくなっただけです。

個人的には、まだ馬車がある時代の、「貧しい貧しい」と言いながらもなかなかに豪華な西洋の邸宅や服装を映像で見るのが好きなので、本作も映像が美しくて好きでした。(絶対に邪魔としか言いようがない、傘のように広がった長いスカートを女性が持ち上げて走ったり、馬車に乗ったりするシーンが好きです。)観て良かったです。

うり子
うり子

映画っていいですね~。もう感想はこれにつきます。読書とは違う良さがあります。

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