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談話室で「笑えるエッセイを教えてください!」と投稿したところ、おススメしていただいたものです。(おススメいただいたものは順番に読んでいこうと思っています。)
浅田次郎さん・・・こんなにも著名な方なのに、ほとんど読んだことないです!今、いそいそとWikipediaを調べましたが、たぶん「椿山課長の七日間」くらいか・・・あと「鉄道員」は映画で見たような・・・と書いたとたん、急に記憶が蘇ってきましたが、なぜか高校時代、我々女子バレー部のうら若き乙女が数人集まって、映画「鉄道員」の鑑賞会をした記憶があります。あれはなんだったんだ・・・。と、おそらく原作を読んでいないのに浅田次郎さんといえば「鉄道員」というイメージです。
いやいや、また思い出しましたが、昔々、これまた若かりし頃、月に1~2回東京に出張する仕事が2年弱ほど続いていたことがあり、その時の東京出張は同行する課長の強い要望でJALを利用しており、その機内誌で読む浅田次郎さんの連載を楽しみにしていました。月に2回目の出張となると、機内誌が最新刊に変わっていないわけで、ちょっと残念な気持ちになっていたものです。
かなりいらない情報ばかり書いてしまいました(反省)。
で、本書がそれだったわけですね。JAL機内誌に連載していた「つばさよつばさ」をまとめたものの第4弾とのこと。
ガハハというより、くすっと笑える軽快なエッセイでした。自分でデブだハゲだギャンブラーだと豪語して、苦しみながらも作家という生業を、それこそ、天職のように楽しんでおられる様子がありありと伝わってきて、「もし生まれ変わったら来世は編集者でもいいかもしれない」(←え、そっち?)と思ってしまいました。だって、取材と称した海外旅行に編集者も同行している様子がとても楽しそうなんです。浅田氏のような気の良さそうなおっちゃん作家さんと取材旅行なんて、絶対楽しいでしょ、という楽観的な憶測ですが。
さて、一通り読み終えてみると、表題になっている「竜宮城と七夕さま」より強く印象に残ったのは、浅田氏の昔の思い出でした。蒸し暑い晩に家の前に縁台を出して涼んだ、どこの家にもテレビなんかないから、みんなで花火やら将棋を楽しんで、路地は賑わっていたという、見たことのない昔の習慣に、もちろん現代にはまったく合わない風習であるとは思いつつもなんとなくあこがれる気持ちがありました。子どもは近所の大人たちに囲まれもまれ、成長していっていたのだな~としみじみ羨ましい気持ちが湧いてきました。
「学生街の喫茶店」では、当時中学生の浅田氏が神田で古本屋を見てまわり、今はスタバなどにとってかわられてしまった古き良き喫茶店をはしごしては、コーヒー一杯で買ってきた本を読みふけるなんて、「うぉ~」と声が出そうなほど羨ましい。そんな時間が必要ですよね、人生って。一時期、湯島に住んでいたことがありましたが、私、実は本をよく読むようになったのは結婚後、特に出産後で、思うに、読書をすることで自分だけの時間を確保しようとしていたのかもしれないのですが、だから何が言いたいかというと、せっかく神田が近かったのに、古本屋巡りなんてしなかったなぁ、惜しいことをしたなぁという気持ちでございます。
いやぁ、しかし、破天荒なお父様、すごいですね(語彙力よ)。稼業を一新したかと思ったらソフト(家族)も一新しただとか、自分が建てたビルの屋上のプレハブに旧ソフトからは浅田氏ひとりのみを住まわせただとか、なんじゃそりゃ。面白すぎます(だから、語彙力よ)。
面白かったです。浅田次郎さんが書く文章、好きでした。おすすめしてくださった方ありがとうございました!
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小説家のエッセイを読むのは、楽しいですよね。小説から勝手に想像していた人物像とは違っていてこれまた勝手に驚いたりして、よりその作家さんを身近に感じるようになるというか・・・。しかししかし、小説家として素晴らしいなと思う作家さんは概してエッセイも面白いことが多いですね~。
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