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吉本ばななさんって、私の中で一世を風靡した感じがあって、でも「あー、あの吉本ばななさんでしょ」と斜に構えて読んでみたら、「この人、すごいじゃん」って思った記憶があります。で、その一世を風靡してからもコンスタントに作品を出されているようで、私はあまりばななさんの作品を読んではないけれど、やっぱりどこかで気になる作家さんでした。
それで、今回、「違うことをしない」ってどういうことだろう、とタイトルに引っかかって久々にばななさんの本を購入するに至ったわけです。
みなさんのレビューから覚悟をしていたつもりですが、”少し”ではなく、”かなり”スピリチュアルでした。宇宙マッサージをされる方との対談は正直読むのが厳しかったです。お昼休みの眠たい時に読んでいるともう意識が飛んで「え?宇宙?」となるし、子どものピアノのレッスンの待ち時間に読んでいると、先生からの注意に意識が飛んで「で?宇宙がなんだって?」となるし。まぁ、これは完全に私の問題なのですが、とにかく気づけば字面を追うだけで内容が頭に入ってこなかったです。ただ、ですね、ここまで否定しておいてなんですが、「スピリチュアル」な才能に長けている人がいるということは認めているんです。私が全然そういった感性を持ち合わせていないだけで、そういう人もこの世の中いるでしょうよ、とは思っています。だから、そのプリミ恥部さんやばななさんが感じる私にとってはえらくスピリチュアルなことも、そういうこともあるんだろうな、とは思いました。そしてなにより、たまに核心をついたことを言うんです。例えば「一人インタビューで自分が本当に感じていることを、まっすぐ言えるように癖をつける」なんて、とても有効的な方法だと思ったし、「初期設定が曖昧な人が多い。最初から親や世間や義務教育などから刷り込まれてしまった設定だとそこから先はその道しかあらわれない」とか、そうかも!と思いました。「初期設定」だとか特有の言葉を使われていますが、要は、自分が何になりたいかどういうふうになりたいかをきちんと考えるということで、こういったことは啓発本とかでもよく言われることですよね。だから、主張の本質は全然変ではなかったですし、さきほど例にあげたところなんて、スピリチュアルな表現でない分すごく的を射ているようで、やはりばななさんの感性だったり、観察眼だったりはすごいと思ったのでした。
第五章の「時間を考える」「お金を感がる」は、何となく自分の考えと一致するとことがあったからか、よい文章読んだなと思いました。
本書に一貫しているのは、自分が「違う」と思うことは「しない」。自分に正直に生きるといったところでしょうか。ただし、あとがきで書かれているように、「「決して、イヤなことはしなくっていいんだよ、自分を愛そう!」なんて話ではなく、もっと厳密なもの」なんだそうです。そこまで読み込むことができたか・・・一気に不安になりました。全体的にスピリチュアルですが、主張には大いにうなづけます。
おまけ的になってしまいますが、ばななさんが幼少期にどんな風にすごしてきたか、売れに売れたときから現在に至るまでお金をはじめ、色んなことをどうコントロールしてきたかがわかるところも、とても興味深かったです。
正直、読んでいる途中は、「読み終わったらメルカリで出品だ」と思っていましたが、またいつか読んだとき、もっと理解できるかもと思って、今のところ手放せていません。今のところ、再読する気も起きないのですが・・・
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これは読み続けるの厳しいかも、と思ったものの、なぜか「そうそう!そうかも!」と思わず膝を打ちそうになるとこもあり、結局すぐには手放せない一冊になりました。そういった意味でちょっと不思議な読書体験でした。
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