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長くなるばかりの読みたい本リストに前々から鎮座していた本書を、思い立って図書館で借りてみました。いつどこで本書を知って、どういう思いで読みたい本リストに追加したのか、記憶はもうありませんが、リストから消さずに読んで良かったと思いました。
面白かったです。
いや、まずタイトルがオシャレじゃないですか。使用予定もないのに、赤いモレスキンを買いたくなるってもんですよ。そして装丁もオシャレ。しかも、舞台はパリ。海外本は苦手で、読み始めは、フランス語のカタカナに怖気づいて(主人公の書店名、ル・カイエ・ルージュさえなかなか読めない覚えられない始末)、読み終えられるか不安になりましたが、そんな心配は無用とばかりに、物語の展開が気になって仕方がない読書タイムとなりました。苦手な海外本を予想外に楽しめたので、評価は少ーし甘めの☆5です(笑)
強盗にハンドバッグを奪われたロールがなぜすぐに警察に行かなかったかとか、野暮なことを言ってはいけません。このロールの行動がなかったら、ロマンチックな大人のおとぎ話はなかったわけですから。
ロールのハンドバッグに収められていたものたちがまたオシャレ。主人公ローランが見ず知らずのロールに惹かれる一因となったモディアノのサイン本はさることながら、家族の思い出の写真を持ち歩いていたり、さらには貝殻やサイコロまで。私は香水さえ持ち歩いていないので、色々想像力が働く小物ばかりで、物語があって良いな~と思いました。
ローランの書店で行ったサイン会のシーンで、その作家の記述がいやに長いな、ここいらないな、なんて作者からすれば余計なことを思いながら読んでいたところ、この章の最後で、思わぬ形でロールの苗字が判明することになって、余計なこと思ってごめんね、と思ったものです。
同じようなことを、モディアノの記述でも思ったのですが、訳者のあとがきを読んで、モディアノがこの物語において、すごく重要な人物であることが、よくわかりました。無知って残念・・・。アントニオ・タブッキの名が出てきて、須賀敦子さんの本の中に出てきた作家だな、くらいしか思い出さなかったのですが、「タブッキにとってのペソアは、ローランにとってのモディアノである」という解説がわかりやすく、モディアノについての描写が全く無駄でもなんでもないことをやっと、読了後理解したというわけです。あまりにも色々なことを知らなくで恥ずかしい(タブッキもペソアも名前しか知らない)。
さて、本筋に戻ると、またまたオシャレポイントが!ロールの職業と部屋です。職業はなんと金箔職人ですって。さすがは、芸術の都パリ。思わぬ形で、ロールの部屋に招き入れられたローランによると、ロールの部屋はやっぱりオシャレそう(想像力が乏しくオシャレと断定できないのが悲しい)。だいたい、私はジャックダニエルを常備したりしていません。
余談ですが、偏見に満ち溢れた私の観点から「フランスっぽい!」と思った点を2つ。
ひとつめ、ローランは離婚歴ありで、娘とたまに会っていて、さらにはその娘が父親の今の彼女について知っているということ。ふたつめは、ローランが彼女と別れることになる飲み会(?)が二人きりではなく、複数のカップルや友人、そしてローランが知らない人もいるということ。(これって、私にとってはあまり普通ではないのですが、どうなんでしょう。)
さて、オシャレでロマンチックな大人の物語は終わり方もスマートでした。
映画になったら(もうなってたりします・・・?)、画からしてオシャレでかなりウケそうだなと思いましたが、やはり本で読めてよかった。
面白かったです!
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赤いモレスキンを買ったところで、使いこなせそうなので、買いませんでしたが、ロールの持ち物はやっぱり「赤いモレスキン」じゃないとダメだな〜と改めて思いました。作者のセンスがキラリと光るポイントですね。
(フランスで「モレスキン」って何か特別なんでしょうか?)


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