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映画の評判は早いうちから耳にしていましたし、映画を観てから小説を読んだ人、逆のパターンの人、どちらからも映画、小説ともに評価が高いと感じていました。映画を観ようか、いや、先に小説か、と悩んでいたところに、小説を貸してくれる知人が!ありがたく飛びつきました。
感想は下巻まで読んで、と思いましたが、少しだけ。
とにかく先が気になってページをめくる手がとまらない、というようなことはよくありますが、この小説はそんな経験で一、二を争うほどでした。初めに引き込まれてから、上巻が終わるまで、時間さえあれば、どんな隙間時間でも読んでしまいました。
それはもちろん、喜久雄の波乱万丈な半生によるところだけではなく、筆者の筆力によるものだろうと思うのですが、何がどううまい、と上手に説明できるほどの力が私にはないのですが、時に難しくなりがちな歌舞伎の世界のことがすーっと入ってくるのでございます。この「~~~でございます。」という形式がまた良いのです。本書の語り手は第三者で、ドラマで言うならナレーションのような感じです。最近見ていないので、適当なことは言えないのですが、NHKの朝の連続テレビ小説とかのあのナレーションの感じです。「ちびまる子ちゃん」でいえばキートン山田さんの役どころです。口調を「~~な喜久雄であった。」ではなく、「~~~な喜久雄でございました。」と丁寧にすれば、本書の語り手になります。こうやって喜久雄を中心に話が進んでいくので、時間軸が少し前後しても、喜久雄から徳次のこと、はたまた俊介のことに話題が移ろうと、とてもわかりやすいのです。
本書のあらすじはもう多くの人が「任侠」「歌舞伎」「血」「才能」のようなワードで知っていると思うので、あえて説明はしませんが、時代の流れや、世間からの圧力、それに自分たちの運命といったものに流されながらも、喜久雄と俊介に共通する「歌舞伎が好き」という思いや、「役者」としての生きざまに、いつの間にか圧倒されていました。
上巻を読み終わって自分の中で色々な感情が渦巻いていますが、喜久雄、大変やなー、辻村はやっぱりよくわからん、幸子は喜久雄に良くしてくれたな、徳ちゃんの存在大きいな、というところでございます。語彙力、表現の貧相さに恥ずかしい限りですが、さっそく下巻にはいります。
確かにこれは、映像で見たくなる大作だと思いました。
下巻まで読み終えたら映画館に行けたらいいな、と計画中です。
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ブログにアップするにあたって再度自分のレビューを読んでみると、あらためて稚拙なレビューだと情けなくなりました。こんなレビューじゃ、本作品の素晴らしさが全然伝わりませんね・・・。


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