【読書感想】さみしい夜にはペンを持て  古賀史健

読書

ブクログに投稿した感想をこのブログにも載せています。

私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

**********

話題になっている本だったというのと、私自身、「書くこと」が好きなのか好きじゃないのか、いまいちはっきりしないんですけど、「書きたい」気持ちがあるのは確かなので、読むべきなんじゃないかと思って、図書館で予約しました。結構待ちました。やはり人気なのですね。

まず装丁が素敵です。よく見るとカラフルなのに、青一色と思ってしまうほど、青が素敵な装丁でした。

本書は、学校でもうちでもあまりうまくいっていない中学生のタコジローくんが、ヤドカリのおじさんに日記を書くことを勧められることが軸となって進んでいくタコジローくんの物語です。日記なんて書けない、書くことがない、続けられるはずがない、というタコジローくんにヤドカリのおじさんは丁寧に、日記を書くことの意義を教えてくれます。

本書は中学生でも読めるような易しい言葉で書かれていますが、ヤドカリのおじさんがタコジローくんに伝えようとしてくれることには、こんな歳の大人でもはっとすることがたくさんありました。
たとえば、書くことはめんどくさいと思っている人は実は考えることをめんどくさがっている、ということ。確かに、と思いました。忙しさにかまけて、「考える」ことを放棄してるんじゃないかと思うと、ちょっと怖くなりました。
「書くこと」は「考えること」であって、「考えること」が「思うこと」とどう違うのかというと、「考えること」は答えを出そうとすること。答えは見つかるものではなく、出すものだからこそ、算数の問題を考えるように、筆算するように文章を書く、というアドバイスはとてもわかりやすかったです。自分の考え・答えを持たない危険性は大人でも子どもでも意識すべきことだし、何でもすぐに正解や正解のようなものが手に入る時代だからこそ、もっともっと意識したいと思いました。
日々の生活に流されずに、SNSに流されずに、他人の答えもどきを鵜呑みにしないように、自分を知る。そのために、日記にその日何を思ったかを考えて書く。日記を書くことをヤドカリのおじさんは、自分のダンジョンを冒険することとたとえていました。

書くときのポイントとして、「今の気持ちを書かない」や、つらつらと出来事を書き並べるのではなく、ひとつのことに注目してそこを深堀りして書く、というようなことが、私のこの説明なんかよりもっともっとわかりやすく説明してありました。
その中でもほぅ、と思ったのが大きくふたつありました。
ひとつは、自分の思いやその日の出来事と向き合おうとするとどうしても愚痴や悪口がでてきてしまうものだけれど、それを書くときは「○○○、と思った」などというふうに過去形にする、ということ。それだけで、その感情と少し距離ができると。たったこれだけで、自分のなかのモヤモヤと少し距離がおけるなら、儲けもんです。すぐに実践しようと思いました。
もうひとつは、「読者」を意識して書くということ。実際には日記だから他人に読ませるわけではなく、多くの場合、未来の自分が読むことになるのだけれど、読者がいない書き物はわかってもらおうとしなくなり、雑で感情的な日記になるということ。なるほど、だから私は自分の日記を読み返そうと思わない、だから書く意味がないと思って書かないのだと、日記を書かない負のループがわかって、すとんと腑に落ちました。結局、日記は自分自身に自分をわかってほしくて書くものだから、と。「書き続けると秘密の書き物から秘密の読み物になる。」「日記は育てるもの。」全ての言葉に納得感がありました。

どれだけ響くかわからないけれど、中学生くらいになったら我が子にも読んでもらいたいな、と思う一冊でした。もちろん大人にもおススメです。さて、まずは万年筆でも買いましょうか(←すぐに形から入ろうとする)。

**********

うり子
うり子

「他人に読ませる」というところは、う〜ん、ちょっと嫌だな、と思いましたが、確かに読者を意識しないとそもそも文章としてわかりにくい、成り立ってないものになりかねないと思いました。本書を読んだからといって、私が日記を始めたわけではないですが、色々と気付きを与えてもらいました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました