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須賀敦子による16篇のエッセイを収めたもの。全てどこかで読んだことのある文章。それは、当然。わたくし、(全巻ではないけれど)須賀敦子全集、持っているもの・・・。
再読とはいえ、「あ、これ知ってるからいいや」とはならない。何度でも読みたいと思わせる須賀敦子さんの文章は、しんと心に入ってきて、なんだかさわさわして落ち着かない気持ちを、一旦静めてくれた。
今回は、「ある日、会って・・・」が特に印象に残った。これは、全集の第一巻に収録されているらしいのだが、実はあまり覚えていなかった。ある家族との束の間の時間の共有を楽しむ須賀敦子さんの目がとても優しいな、と思うと同時に、この須賀敦子にこんな風に思われる、このただの行きずりの家族の品の良さに心を奪われた。
須賀敦子の文章が好きなのは、言うまでもないとして、どうしてここまで須賀敦子の本を求めてしまうのか。池内紀さんの解説に、なるほど、と手を打った。曰く、「彼女は、未来のあるべき女を先どりしていたような気がしてならない。」と。そうだ、あの時代に、ひとりの女性として、凛と生きた彼女を、同じ女性として尊敬してやまないのだとわかった。
あらためて須賀敦子さんが歩いたイタリアにも行ってみたい気がした。
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うり子
ミラノはもちろん、ヴェネツィア、フィレンチェ、ベローナ、ジェノヴァ・・・あぁ、想像するだけで「行きたい!」とおしりがムズムズします!
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