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読み始めてから読了までに、とっても時間がかかってしまったけど、決して面白くなかったわけではなく、とても参考になる本だった。
ある方が本書を紹介していて、漠然と、「恐れのない組織って、きっと従業員が働きやすい環境を整えてるんだろうな。」と思い、そういう組織作りを知りたいと、購入。「従業員が働きやすい」環境や仕組み作り以前の、もっと精神的な土台になる話だった(と思う)。
リーダーが従業員ひとりひとりとその考えを大事にすることが良い組織への第一歩であるということが当然であるとして、その「大事にする」ということが、つまり本書で論じられる「心理的安全性が確立されている」=「恐れのない組織である」ということなのだと、私は解釈した。
この重要なキーワード「心理的安全性」とは、率直に発言したり懸念やアイデアを話したりすることによる対人関係リスクを安心してとれる環境、と定義されている。重要な点は、この心理的安全性を確立するのに、個人の資質は関係ないということ。つまり「無口な人」だから、「自分の意見を言わない人」だからという資質が要因で、発言したり話し合ったりできないわけではない、ということ。
まず、前提として、みんな常に意識的にも無意識的にも対人関係リスクに対応していて、アイデアや疑問を率直に話し合うのを制限している。つまり心理的安全性を欠いた組織が多いということ。
心理的安全性を欠いた組織がどんなに大きな失敗をしたか、時には関係者の死につながってしまう実例があげられ、逆に、心理的安全性が確立された組織では、いかに学習、エンゲージメント、パフォーマンスに素晴らしい効果があるかが、これも実例をあげつつ述べられている。
そして、この心理的安全性の確立は、リーダーの責務であるとして、リーダーはどのように心理的安全性を確立したフィアレスな組織をつくることができるのかという点で、「土台をつくる」、「参加を求める」、「生産的に対応する」の3つの行動が必要と論じられる。
詳細は本書を読んでいただくとして、やはりリーダーのあり方が肝心要なんだと思った。特に、発言をしてくれた人にまず感謝を述べる(意見や反論はそのあとに述べればよい)、謙虚になる(わかならいから教えて欲しいと恥ずかしがらずに言えること)、発言を引き出す問いかけをする(「どれだけミスしたか?」なんて言っても誰も答えたくない)、失敗を恥ずかしいものではないとする(これ、本当に大事。だいたいにおいて日本人は、失敗をダメなものと捉えがち)というところは、とても参考になった。
ただ、ここで大事なのは、「心理的安全性」への一歩を踏み出せるのはリーダーだけでなく、誰でも行動できるということだった。
これから組織において大なり小なりグループのリーダー的存在になることがあるかもしれない。その時には、これを思い出そうと思った。
とても参考になる書籍だった。
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「恐れのない組織」が多ければ多いほど、人間と人間の知恵のかけ合わせで良いモノ・コトが生まれ、より良い世の中になっていく・・・そんな理想の世界が遠くに見えた気がします。
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