友人が逝ってしまった

雑記

友人というほど親しくはなかったので、知人というほうが本当のところかもしれないけれど、やはり私の中では友人だったので、友人として書き進めていこう。

その友人の旦那さんから連絡をもらった時は、すでに葬儀等も終わり・・・ということだったので、家族葬か何かだったのだろう。

うちの娘・つよちゃんと友人の娘・Aちゃんは、つよちゃんが年少の年に保育園に入ってからの付き合い(1歳かそこらで入園したAちゃんは、だから保育園ではつよちゃんの先輩的存在だった)。小学校と習い事も同じ。つよちゃんはAちゃんの影響でその習い事を始めたし(そして二人とも今も習い続けている)、二人が通った保育園からつよちゃんたちが通う小学校に行くメンバーが少ないこともあり、わりと近しい関係で仲良くさせてもらっている。

友人は、小学校の先生だったので、忙しいのと、サバサバな性格なのと、自分の軸がしっかりした生活を送っている印象だったので、元々友達づきあいが苦手な私とは、例えば小学校の行事などで会えば話すし、必要に迫られればラインでやりとりする、くらいの関係だった。当初、ラインがなかなか既読にならず、「あまりラインは見ない」とハッキリ言っていたのも彼女らしかった。

そんな友人が休職していると小耳に挟み、Aちゃんからも「お母さんが入院している」と聞いたのは、ちょうど一年くらい前だったと、自分がつけている5年日記でわかった。私はその日記にひとこと、「Aちゃんのお母さん、心配」と書いていた。それでも本人に直接聞くなんて勇気はなく、学校行事や習い事の送迎で姿を見かけて、そのたびに安心していた。

彼女自身から連絡があったのは去年の秋ごろ。習い事の発表会の時だった。発表会ではお母さんたちは係の仕事があるのだけれど、体調が良くなく、係の仕事を免除してもらっているという連絡だった。リハーサルの送迎も旦那さんで、彼女を見ないことが不安だったけれど、発表会当日には彼女も来ていて、今までと何の変わりなく見えてどれだけホッとしたことか。晴れやかな発表会後という機会や場所的にも、体調のことを口にすることは憚られ、結局詳細は知らないまま年が暮れ、年が明け、新年度になり・・・

そして、5月。新緑の季節に訃報に接することになった。

まだ彼女の旦那さんに直接会えていないので、正確ではないかもしれないけれど、おそらく、まだ、48、49くらいだと思う。そして、Aちゃんによると癌だったよう。

闘病生活も、私が思い返すに、2年もなかったのではないだろうか。少なくとも私が知ってからは約一年しか経っていない。

3年生のAちゃん、5年生のお兄ちゃん、旦那さんを残して、友人は逝ってしまった。

彼女は私にとって、スーパーウーマンだった。小学校の先生という忙しい身ながら、Aちゃん達にはいつも手作りのおやつを用意し、Aちゃんの入学式の服も手作りだった。料理も裁縫も全てを器用にこなす人だった。私はどちらも苦手、全てにおいて不器用な人間だから、余計にその器用さに驚いた。日常生活を回すだけで精一杯で自分の習い事どころではない私と違って、コーラス隊に参加していたり、全てが準備されているグランピングしかできない我が家と違って、本当のキャンプを楽しむ友人家族・・・あ、そうそう、彼女、渋滞を避けるためにバイクで通勤したりもしていたな。私にはよくわからない大きなバイクで。こうやって少し思い出すだけでも私とは全然違う。彼女は本当にスーパーウーマンだった。

いつかこんなやりとりをした。

私が「冬には必ず数回風邪をひく」というような割と頻繁に体調を崩すことを話したら、彼女は体調を崩して仕事を休むということがほとんどない、と言った。いや、「体調不良で休んだことはない」と言っていたような気もする。私はその時、本当に感心してしまった。私はしがない事務職なので、わりと年休が取りやすい。それに比べて先生は「ちょっと疲れたから今日休むわ」なんてできないので、大変だと思った記憶がある。例えば、おうちでも足湯をすると良いとか、持参する水筒にも何か健康に良いものを入れているというようなことを言っていた気もする。

そんな友人がこんなにも早くに逝ってしまうなんて。

人が生まれて、生きて、死ぬことに意味はなく、全ては偶然から起こることだと最近思うようになった。そこに意味づけをするのは人間だからこそだと。

だからといって、達観しているわけではない。なぜ、どうして、こんなに早く、と思わずにはいられない。彼女の無念を思うと、もう・・・言葉にならない。

ふとした瞬間に彼女を思い出す。彼女を思い出してもどうにか泣かずにいられるようになったけれど、私はきっとこれからもずっと、暮らしのあちこちで彼女を思い出すと確信している。冒頭に書いたように、知人と言っても差支えないくらいの付き合いだったのに、不思議だけれど、彼女の姿は意外と私にとって大きかったんだと思った。

うり子
うり子

誰もみていないブログだからこそ、自分のために残しておこうと思います。

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