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今年の1月に読んだばかりだけど、本編を再読したので、勢いでこちらも再読。前回は図書館で借りたけれど、今回はポチッと購入。上下巻と共に私の本棚へようこそ~!
さすがに内容はよく覚えていた。本編が大作なだけに、続編というよりスピンオフなのが、気楽で良い(笑)
個人的には亜夜とマサルの関係の今後より、三枝子とナサニエルの今後の展開が気になる。なんかこの二人の関係っていいな。それにしても、故人であるのに、この物語の基盤ともいえそうなホフマン先生の存在ってすごい。どれだけすごいピアニストだったのかは、登場人物が語るホフマン先生像だけで充分わかってしまうのだけれど、こういう人物を話の中に組み込んで、重要な役割を与えちゃうところは、さすが、才能ある作家さんだからなのかな・・・なんて考えたり。
菱沼先生の短編はなんかじんとした。コンクールの課題曲にはこんな出来事が、想いがあったんだな、あぁ、音楽っていいなぁ、と。
なんだかんだ本編でかなりの働きをしたと思う奏のその後の話は嬉しかったけど、そうなってくると明石のその後もちょっとでいいから知りたかったというのが本音。明石は演奏家として活動してるはず、とおそらく多くの読者が期待しているだろうから、書きづらかったのかなとも想像するけれど。
文庫版のおまけとして巻末についている恩田陸さんによる音楽関係のエッセイを集めたものは、かなり読み応えあります。このおまけもじっくり読むのがおすすめ。
なんにせよ、本編後のスピンオフとして良い作品でした。
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ついでに、前回読んだ時の感想も載せておきます。
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「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ作品。図書館で予約してずいぶん待ちました・・・
なので、「蜜蜂と遠雷」の感動からだいぶ時間が経ってしまって、びっくりするほど覚えてなかった!自分の記憶力のなさに憤慨しながら読み進めるとおぼろげだけど、少しずつ思い出してきた。あぁ、この人はあの人ね、と。
収録内容は以下の通り。
・祝祭と掃苔
亜夜、マサル、塵で恩師のお墓参り
・獅子と芍薬
ナサニエルとミエコの過去がわかる
・袈裟と鞦韆
菱沼がコンクール課題曲を決めるいきさつ
・竪琴と葦笛
マサルとナサニエルの出会いから
・鈴蘭と階段
奏のヴィオラ探し
・伝説と予感
ユウジが塵を見つけ出した時
つくづく思ったのは、本当にすばらしく、才能のある作家さんは、短編という少ないページ数の中でも、ぐっと読者を惹きつけるものを書けるということ。登場人物が薄っぺらくない、登場人物の心情がすっとこちらにも伝わってくる、空気感も感じられる、ということ。
もちろん「蜜蜂と遠雷」を過去に読み、少しづつでも思い出しながら読んだ私と、「蜜蜂と遠雷」を読まずにいきなりこちらを読んだ人とでは、惹きつけられ方は違うとは思うけれど、それでも恩田陸さんの力がよくわかる短編集だった。
巻末、他の媒体に掲載されたエッセイもあって、恩田さんがかなりのクラシック通であることがわかった。というか、クラシックだけでなく、ジャズなども。そして、ご自身、かなりピアノを弾けるよう。やっぱり~と思う反面、「蜜蜂と遠雷」のために相当に曲を聴きこんでいて、譜面まで買って、暗譜してしまった曲もあり、とあって、なんかもう、頭が上がりませんという感じでした。
私ももう少しクラシックに詳しくなりたい・・・まずは、「蜜蜂と遠雷」を再読して、あの感動をもう一度・・・
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自分の書いた拙い感想ですが、残ってるってうれしいです。一度すべて消えてしまったことがあるので(涙)
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