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群ようこさんのタイトルの通り、「老いとお金」に関するエッセイ。
相変わらず、肩ひじ張らないゆるい感じがいい。
家族(母と弟)に家を買わされ、あげく部屋さえもらえなかったという話。これ、どこかで読んだことがあって、「すごいお母さんだな~」と思って、そんな感想を書いた気もするけれど、ブクログに移ってくる前だったようで、感想が残っていなかった。残念だ。とにかく、「ひどいわ~。群さん、大変だわ~。」と思ったと思うんだけど、今回は、弟がひどかった。人としてどうかと思うけれど、こういう人に限って外ではいい顔してるんだろうか。成績は良く、大手にお勤めみたいだから。しかしですよ、群さん、この弟が大学2年生のころまで一緒に実家に住んでいたけれど、彼が「ありがとう」「ごめんなさい」と言ったのを聞いたことがないって。ここにびっくり。人様の弟だけれど、本当に人間性を疑ってしまった。「姉弟の場合の弟は危ない」という着地点に、わが子たちも姉弟なので、ちょっと笑ってしまった。そうか、姉弟の弟はちゃっかりしてるのか(笑)
とまぁ、老後のお金の問題がよりわかったとか、なんか新しいことを知ったというわけじゃなかったけど、普通のエッセイとして楽しめた。群さんの楽観的な考え方や、お金に執着しないところ、こだわりを待たずにのびのびと生活している感じは、読んでいてリラックスできる。老後にお金が全くないのは困るけれど、心配しすぎてもね・・・という結局中途半端なところに落ち着いた。
なんでもかんでも欲しいものが買えるお金があったら、「あれを買った自分」を想像する楽しみや、想像力そのものがなくなるんじゃないか、とか、結局お金を失うより、人とのつながりを失う方が怖い、といったまともな意見になんだかほっとした。
ちょっと違う世界に住む遠い親戚のおばちゃんの話とそのおばちゃんの友人の話、という感じで気楽に楽しめた。
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ほどよいお金と人付き合い・・・こだわりを捨てて、時には人に頼ることも必要。そんなことを考えました。そういえば、私、子どもには「助けを求められる人になってほしい」と思っていて、ここにもつながるなぁとなんだか嬉しい気がします。
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