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大人気「木曜日にはココアを」の続編となる本書。
この薄さに12作の短編がはいっており、ひとつひとつはとっても短くてあっさりしたものとなっている。この12作のお話でちょうど一年が経っている。今回の舞台は東京と京都。
1 月曜日の抹茶カフェ(睦月・東京)
2 手紙を書くよ(如月・東京)
3 春先のツバメ(弥生・東京)
4 天窓から降る雨(卯月・東京)
5 拍子木を鳴らして(皐月・京都)
6 夏越の祓(水無月・京都)
7 おじさんと短冊(文月・京都)
8 抜け巻探し(葉月・京都)
9 デルタの松の樹の下で(長月・京都)
10 カンガルーが待ってる(神無月・京都)
11 まぼろしのカマキリ(霜月・東京)
12 吉日(師走・東京)
「木曜日にはココアを」を読んだ人は、あ、あの人、と嬉しくなる再会もある。
ひとつめのお話とラストのお話はメインの二人の縁をさわやかに書いていて、特に青山美智子さんらしい作品だったと思う。
「木曜日にはココアを」からするとどれも短くてちょっと物足りない気にもなるが、ありふれた日常の風景や悩みや、そこからの気づき、前向きな姿勢は、誰が読んでも気持ちがいいものだと思う。どの作品でも、仕事にやりがいを感じて生き生きとしている登場人物に、心が清々しくなる。そして、良い「縁」というものは待つものではなく、自分から掴みに行くものなのだな、と思った。
短時間でさっと読めてしまい、前作よりはあまり記憶に残りにくかったのは残念でしたが、好きだった話は、「「抜け巻探し(葉月・京都)」と「デルタの松の樹の下で」の2つでした。
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もし、これが、わたしにとって青山美智子さんの最初の本だったら、そんなに青山美智子さんに興味を持たなかっただろうな、というのが正直なところです。が、実際はそうではなかったため、気になる青山作品はまだまだたくさんあります。息抜きのんびり読書にはピッタリです!
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