【読書感想】アルケミスト 夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ

読書

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すごい名作らしい。「世界で最も読まれた本ベスト10」に入るとか入らないとか(←どっちよ)。とにかくこんなにも有名なのに、恥ずかしながら最近まで全く存じ上げておりませんでした。そのことに驚愕して読んでみようと思った次第です。

文庫本を買ってみたらなんとも頼りない薄さ。これが名著なのね。

羊飼いの少年サンチャゴは二度同じ夢を見る。信じられるのか信じられないのかわからない夢を読み解くという老女や、王様だと名乗る老人との出会いもあり、その夢にしたがって、宝物を求めてエジプトのピラミッドへ行くことにする。

旅の途中何度も、少年自身、夢を追うことに疑問を感じ、あのまま羊飼いでよかったのではないか、など自問自答する。そのたびに、旅に出るのに背中を押してくれた王様の言葉を思い出し、夢を追う勇気を再度奮い立たせる。
旅の途中出会ったクリスタルショップの店主は、夢を叶えることができるのに、叶えようとしない。夢を実現した後のことを恐れている。夢を夢のままにしたい、と少年にとっては理解できない心持ちでいる。そんな店主を横目に少年は旅を続ける。この場面はとても印象に残った。自分を省みても、クリスタルショップの店主のような人は、きっと多い。

「人生」「夢」「運命」とは・・・少年の旅を一緒に旅することで考えることはたくさんある。少年とともに「夢を追うことの大切さ」や「夢を追うために手放さなければならないもの」などの間で、読んでいるこちらの心も揺れ動く。

最後少年が探し求めていた宝は実は近くにあった。しかし、旅に出なければ決して見つからなかったであろうことを考えるに、多くのことを学んだ夢を追う旅そのものが、宝物だったのではないか。

王様からもらったふたつの石が示唆するものは何だったか、など、まだ自分の中で理解できていない部分もあるけれど、名作として読み継がれているのはわかる気がした。ただ、読む時期や読み手の状況によって、刺さる刺さらないがかなり分かれそうな作品だと思った。

こういう作品はぜひいつかまた再読してみたい。その時と今の感想がどう違うのか、楽しみだと思った。

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うり子
うり子

やはり長く読み継がれているものは、読者を惹きつけるキラリとした何かを持っていますね。

本書は、少年が夢を追うかどうか、その時その時に悩む姿が、なんというか、こう夢を追うのにずば抜けた才のある少年とかではなく、わりと等身大の人間という気がして、自分と照らし合わせやすくて良かったです。

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