【読書感想】千年の読書: 人生を変える本との出会い 三砂慶明

読書

ブクログに投稿した感想をこのブログにも載せています。

私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

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良い本でした。このブクログで知ったので、あらためてブクログっていいなーと思いました。

本書は書店員である三砂さんが、7つの章にわけた各テーマに沿って、200冊以上の書籍を紹介する読書案内エッセイというか、書評というか、読んだ本から考えたことについてのエッセイというか、とにかく、そんな本だった。
タイトルの「千年」というのは千年前に書かれた「源氏物語」が今なお、店頭で手に取られているという事実から、読書というものの昔からの素晴らしさ、そしてこれからも素晴らしい価値を持ち続けるだろうという、読書好きならきっとわかってくれるであろう思いからつけられたのだと思う。(←長々書いておいて推測かよ。)

数冊を取り上げてそれを深堀りしたり、強く推薦したり、というより、各テーマについて言葉をつづる中でこれまで読んだ本が次から次に出てくるといった感じ。たくさんの引用もあり、一冊一冊の紹介が端的であるがために、「あ、この本のこともっと知りたい」と思うことも度々、「前後がないと、この引用では私にはよく理解できんわ」と思うところも度々。いずれにしても、読書欲がすごくそそられる、良い本でした。せっかくなので、7つの各テーマで、私が読んだことがなくて、読みたい!と思った書籍をあげてみようと思います。

第1章 本への扉 人生を変える本との出会い
「人生が変わった」といえるほどの読書体験はぱっとは思い出せませんが、まさに読書とは本との出会いだな、と思います。これまで読んだ本のかけらたちが私の中にたくさん蓄積してることは間違いない。本を読んでも頭は良くならないけど、読書は「精神の駆動」である、とはいい表現ですね。
・「言葉の外へ」保坂和志
・「潜水服は蝶の夢を見る」ジャン=ドミニック・ボービー

第2章 生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本
幸いにも自分自身が「生きづらい」と感じたことはこれまでは、ない。でもこれからあるかもしれない。そんな時に少しでも心に休息を与えてくれるような、または生きていくヒントを与えてくれるような本があればいいな、と思いました。さらに、「発達障害」と診断される人が多くなってきたことについて、社会的な変化、主に仕事の変化が影響していることに、少し驚き、なんか腹落ちしました。「そういう診断名ができたから増えたんでしょ」くらいに思っていた自分が恥ずかしい。そう診断された人たちが「生きづらい」と思わないですむような社会に変えていけないだろうか、とそんなことを思いました。
・「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」熊代亨
・「これは水です」デヴィッド・フォスター・ウォレス

第3章 新しい働き方を探す旅
仕事の価値を「社会的価値」で分析した調査結果が引用されていて、なぜかニヤリとしてしまいました。
「投資銀行家:1ポンドの利益を生むごとに7ポンドの社会的価値を破壊/保育士:給与1ポンドを稼ぐたびに7~9.5ポンドの社会的価値を生み出す」
私は自分の仕事が社会にとって必要ないとは思いませんが、自分の部署内を見回しても、3分の1は不要な仕事だし、無駄をなくし、効率良く回したら半分の人員でこと足りるんではないかと常々思っています。そしてもっと人のためになる仕事ができないだろうか、と悶々としています。社会に、人に、必要とされる仕事をしている人にもっとお金が回るようにならないかな。保育士さんや、清掃員さんなんてその典型例だと思います。
・「自分の仕事をつくる」西村佳哲
・「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」デヴィッド・グレーバー

第4章 「お金」から見た世界
人生お金がすべてではないけれど、あれば、選択肢が広がりますよね。ただ、あればあるほどいいわけではないし、「消費社会」が根本から見直されていることも事実ですね。
・「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」ヤマザキOKコンピュータ
・「買物絵本」五味太郎

第5章 「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
料理は苦手ですが、料理本をパラパラ見るのが大好きです。レシピだけでなく、エッセイも掲載されているような、その料理家の人となりがわかるような本が特に大好物で、常に一冊パラパラ見るようにいつでも手に取れる場所に置いています。どうにか、もう少し、料理をゆったりと、食材を慈しむようにできないかな、と悩ましいところです。
・「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」キャスリーン・フリン
・「料理が苦痛だ」本多理恵子

第6章 幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
少し前から「マインドフルネス」という言葉はよく聞いていましたが、あんまり意識していませんでした。でも、こんなにも成果があるとはっきり示されているのですね。あまりこれまで読んだことのない分野の本で、興味深い本がたくさんありましたが、ここでは「三種の神本」と三砂さんが言い切る以下をあげたい。
・「脳を鍛えるには運動しかない!」ジョン J.レイティ他
・「BORN TO RUN」クリストファー・マクドゥーガル
・「NATURE FIX」フローレンス・ウィリアムズ

第7章 本から死を考える 死の想像力
言い古された表現ですが、これは永遠のテーマですね。答えがないからこそ、たくさんの本がある。本を読んで自分なりにしっかり考えたい大事なテーマです。
・「ユング心理学と仏教」河合隼雄
・「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム

あぁ、たくさんの本を知ることができて、本当に楽しい読書でした!

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うり子
うり子

本当に知れてよかったと思う本でした。たくさん読みたい本が見つかったし、なんといっても「読書が好き」を著者と共有できている感じが嬉しかったです。レビューであげた本を早く読みたくてうずうずします。最近は「読みたい本リスト」がずらーと長くなってきて、それを眺めるひとときもなんか楽しい・・・♪

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