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「プリンセス・トヨトミ」を再読したら、もっともっと万城目ワールドに浸りたくなって、こちらも再読。本当は「プリンセス・トヨトミ」と関係がある(らしい)「とっぴんぱらりんの風太郎」を読もうと思ったのだけど、風太郎がちょっと重めだった記憶があり、今は悲しい読み物はつらいので、軽めのホルモーからにしてみました。
記憶というものは結構曖昧なものだということが「プリンセス・トヨトミ」に続き、よくわかりました。というか私の記憶力に問題があるのかもしれませんが。
初読みのときは、なんという奇想天外な小説なんだ!という、とにかく驚きと、万城目氏のめくるめく面白い文章と京都への憧れと・・・で、「ホルモーは楽しい競技」というイメージだったのですが、なんと十七条ホルモーが行われることになると、チームは二分するわ、黒オニは表れるわ、「陰」の部分もちゃんと描かれていたのですね。きちんと読むと、この黒オニ、めちゃくちゃ怖い。何が襲われているのか、なんでこんなことが夜な夜なおこるのか正体不明なところがまた怖い。主人公安部の友人、高村はホルモーに陰陽道を当てはめて考えるのだけれど、なるほど、と思うところだった。そういえば、主人公の名は「安部」・・・。
そして、あぁ、青春、というところもこのホルモーのいいところですね。憎むほどでもないけれど、恋愛においては策士の早良京子と、一途で不器用な楠木ふみ。なかなか周りがみえていない主人公安部。うまい具合に最後はまとまって、よかったよかった。ビバ、青春。
あとは、何といっても、これを読むと京都の魅力をひしひしと感じます。京都って、なんて魅力的なんでしょう!久しぶりにるるぶなんかを片手に洛中を練り歩きたくなりました。
トヨトミと同じように、こんな奇想天外、斬新奇抜、奇怪千万な万城目ワールドが苦手な人もいるとは思いますが、私は大好きです!
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いやいや、再読でもなんでも面白いものは面白いですね。京都という街の魅力までよく伝わってくるお話です。私の記憶違いのようで思ったより、競技の描写は少なかったです。で、思ったより「大学生の青春」でありました。続けて、「鹿男」や「風太郎」なんか読んで、万城目ワールドにしばらく居続けたいと思うところです。
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