【読書感想】本のない、絵本屋クッタラ: おいしいスープ、置いてます。 標野凪

読書

ブクログに投稿した感想をこのブログにも載せています。

私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

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標野凪さんの作品、2冊目です。

今回は本を置いていない本屋さんが舞台。お客さんがご所望の絵本を店主が選ぶオーダーメイドの本屋さんで、「クッタラ」というアイヌ語がお店の名前となっているようです。このお店、本を置いていないのに、本屋と名乗っていたりとちょっと風変わりで、メニューは季節のスープとコーヒーだけ、共同経営者は八木こと「ヤギ」!

お客さんの悩みに合わせた絵本を読み手の私たちもたくさん知ることができます。知っているもの、知らないもの、なじみの作家、初めて知る作家・・・絵本大好きなので、かなりワクワクしました。

アーノルド・ローベル、エルサ・ベスコフ、ジョン・バーニンガム、バージニア・リー・バートン、なかがわりえこ・・・など、私も大好きな作家さんたちの絵本が出てくると、ちょっとドヤ顔になりました。

その中でも、わかやまけんの「しろくまちゃんのほっとけーき」の点字版が出てきたときには、「うぉ!」と思いました。この点字版、文字が点字になっているだけでなく、絵も点字で表されているのですが、最近、このような点字の絵本についての記事を読んだばかりだったのです。恥ずかしながら、そんな絵本があることを初めて知ったので、その記事に大変感動したのですが、そんな個人的な体験のあとに、絵本の点字版が本書に出てきたので、うれしい偶然(?)に心が小躍りしました。

絵本って本当に素敵です。心の栄養です。絵本の良さを知っていて、たくさんの絵本を知っている著者だからこそ、この物語ができたんですね。その他にも野菜、特に北海道の野菜の豆知識やアイヌ語の豆知識などがたくさん詰め込まれた小説でした。私の物のとらえ方がいけないのですが、「こうだ、ああだ」と一方的に教えられているようで、小説としてすごく面白いというわけではなかったですが、ほっこりするという感想を持たれる方も多いだろうな、と思いました。夢のようなお店で、小説だからそんなこと考えてはいけないのに、「どうやって採算をとるんだろう」とか思ってしまって、あまりにも現実味がないところで少し興ざめしてしまいました。

最後、急に辛口評価になりましたが、どの登場人物にもあまり感情移入できなかったので、私にはあまり刺さらなかったかったな、というところです。

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うり子
うり子

絵本が大好きなので、本当にこのようなお店があったら素敵だろうな、と思いますし、著者の絵本と北海道の豊富な知識は素晴らしいと思いました。が、誰にも感情移入できなかったので辛口レビューとなってしまいました。失礼しました💦

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