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日本茶の出張カフェ、タロット占いつきというコンセプトは面白いですね。フリーでこうやって得意を仕事にするって、今時っぽくていいですね。
一話目が福岡舞台で興味をぐっと惹かれたのは、わたくしの個人的な事情。八女市星野村の茶の文化館にも行ったことがあるので、ちょっと心をつかまれてしまいました。
お茶といっても玉露や煎茶、そして茶器、落語までうんちくがいっぱいつまった本でした。あまり知らない世界なので、興味深かったです。お抹茶を使用したいわゆる茶道については文章で読むことがあっても、玉露煎茶はあまりなかったので面白かった。
一話ごとに登場した茶葉や水、茶器について、扉頁に記されているのがよかったです。なんというか、SNSとかでこだわりのある人が投稿した美しい写真のような感じでした、全体的に。好きな人にはたまらないだろうし、作者のひとつひとつの物へのこだわりが感じられます。
ただ、小説としてはどうかな。色んなうんちくを詰め込みすぎだし、やはり誰にも感情移入できない。表面的な感じが否めません。実際の暮らしだったらこういった表面的なことって往々にしてあると思いますが、小説なので、読み手の感情が動くようにもうちょっと背景が見えたり、人物に深みがあって欲しいなと個人的には思いました。最後の短編なんかは、もっと深く掘り広げられたらよかったのに、とちょっと惜しい気がしました。
やっぱり私には合わないかな、という感じです。
読書の記録をつけだして、昔より絶対的に読書量が増えたということもあり、合う・合わないが割と自分の中ではっきりしてきました。(でも、借りたりするとありがたく何でも読んでしまいますが・・・)
短編集とか、こういうほっこり系の作品を続けて読んでいると、ぐっと濃い物語や、読んでいてうっとりするような日本語の本を読みたくなってきました。
今回も辛口レビュー。申し訳ございません。
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今時っぽい感じでした。こういうタイプのものはしばらくもういいかな、というくらいお腹いっぱいになりました。次はガラッと違うタイプの本が読みたくなってきました。長編ミステリー?(ミステリー苦手)村上春樹の長編?(村上春樹前は好きだったけど今は読んでない)ハリー・ポッターの続き?(早く読まないといけない)実用書系?(そういえば積読が何冊かある)
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