【読書感想】猫を拾いに 川上弘美

読書

ブクログに投稿した感想をこのブログにも載せています。

私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

**********

めちゃおもろ。
日常の何てことないようなお話にちょっとした不思議や全然「ちょっと」じゃない不思議が出てきたり、出てこなかったり。21話も短編が収録されています。なんかすごくお得感がありました。一話一話が短いので、サクサク読んでしまいますが、気に入ったものを読んだ後は「ぐふふ」と思います。
私が好きだったのは、「誕生日の夜」「新年のお客」「クリスマス・コンサート」「九月の精霊」「信長、よーじや、阿闍梨餅」です。
特に、「新年のお客」は「これは、私好きっぽいぞぉ」、と思いながら読み進めたら、その前に「はい、これ、好きー」って思った「誕生日の夜」の坂巻君が出てきて、「いや、やられたわ。完敗。」となりました。あぁ、うまく表現できない。こんな風に書くとめっちゃアホっぽい・・でも、本当にこんな勢いで読んで、楽しみました。
全体を通して、多くに共通していたのは「恋愛」でした。もうこんな歳だし、「恋愛モノ」はもういい、と思いがちな私ですが、なんかサラッとした感じの「恋愛モノ」ばかりで、読んでいて嫌じゃなかったです。

こういう短編集って、他の人はどの短編が好きだったのか、レビューで知るのが楽しいですよね。「同じー!」と思ったり、「そうきたか!」と思ったり、一人でニヤニヤしてしまいます。

そして、こういう短編集は後々、ふとした瞬間に思い出したりするんです。ひとつひとつのストーリーをずっと覚えてるわけではないんですよ。というかむしろほとんど忘れてる。なんなら読んだすぐ後にはもう忘れてる。なのに、後になって急に思い出すんです、ストーリーのいち場面を。本当にふ、と。で、それがどの短編集の中のひとつのお話のいち場面かが、なかなか思い出せない。作者さえわからないこともある。で、しばらく悶々として結局思い出せずに、また忘れる。そもそも、そのいち場面も本当に正しいかわからない。自分の脳内で書き換えてるかもしれない。そんなあやふやないち場面のために悶々とする。悶々とする時間は短いながら、こう、なんとも歯がゆいんですよ。何が言いたいかというと、本書もそうなりそうってこと。それだけです。

あぁ、面白かった!読了後は、「ちょっと不思議な世界へ行って、帰ってきました、無事生還!!」、という感じ。読書って本当に最高の娯楽だな~と思いました。私は好きなタイプの本でした。あ、そういえば、川上弘美さんの作品は初読みでした。

**********

うり子
うり子

今自分でレビューを読み直して、お話を思い出してもなんかこうふわふわとした感じになります。多分一番好きだったのが「誕生日の夜」「新年のお客」らへんだったからかもしれません。宇宙空間を歩くような(歩いたことないけど)ふわふわした感じ。いやぁ、面白かったですね。(しみじみ)

コメント

タイトルとURLをコピーしました