【読書感想】NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる フローレンス・ウィリアムズ

読書

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「自然」はストレス軽減や健康促進に良さそう。だれもが直感的に感じていることだと思いますが、それを証明し、都会暮らしの現代人である私たちにもできる「自然」との接し方を示してくれる本でした。

少し冗長で、目次を見ただけでは何が結論かはっきりせず、レビューを書くにもまとめづらかったことは否めませんが、著者が参加した調査・実験の数々が、面白かったり、ちょっとつまらなかったり・・・何が凄いって、これだけの実験に自ら参加する著者の行動力でした!
森林浴の最先端を行く(?)我が日本、お隣韓国、フィンランドやスコットランドなどのヨーロッパ、そして著者が住むアメリカ、最後には国をあげて都市の緑化を進めているシンガポールなど、さまざまな国での、調査や実験に実際に著者が参加し、その過程や結果がどうだったかが多く記されています。
”NATURE FIX”まさに自然が私たちの不具合を治癒してくれそうだというエビデンスがどんどん出てきます。
嗅覚、聴覚、視覚に関する調査実験は身近でわかりやすかったこともあり、とても面白かったです。ヒノキの香り、小鳥のさえずり、水の音、自然が生み出す造形美・・・どれもストレス軽減などに大いに貢献してくれそうという結果でした。
騒音がどれだけ弊害となっているかを調べるための空港近くに住む子供たちへの実験や、同じ集合住宅に住む人たちでも、中庭が見える部屋に住む人と、そうでない人との違いを調べた実験など、結果はわかっていたこととはいえ、数字としてきちんとしたエビデンスが出ていていました。
そのほかにも、元軍人女性たちが参加したラフティング合宿、ADHDの子どもたちが自然の中で過ごすという取り組みをする学校などでの体験は、完璧という結果ではないにしろ、著者が思うような結果が出ていたようです。
実験の中には「バーチャルな自然」も含まれていて、時代を感じました。自分が過ごすならバーチャルではなく本当の自然がいいですが、こういった研究も大いに意義がありそうです。

2008年に世界人口の半分以上が「都市部」に住むようになったそうで、本来私たち人間は自然とともに進化してきたのに、急速に「自然」から離れてしまっていることは容易に理解できます。都市に住む私たちにできることとして、本書では「一か月に5時間」自然に触れる習慣をつけることを提言しています。これならどうにか出来そうではないでしょうか。ひとくちに「自然」と言っても近所の公園から、遠出してやっと行ける海や山まで様々ですが、まずは一本の木からでも良いようです。さらに、著者は「自然から得られる恩恵は、そのなかで過ごす時間と正比例の関係にある」と考えており、その考えにぴったりのネイチャー・ピラミッドが紹介されていました。
上から、
毎年、大自然に畏敬の念を抱く
毎月、ハイキングや森林浴に出かける
毎週、緑豊かな大きな公園や川辺でリラックスする
毎日、観葉植物や庭、町中の公園で一息つく
というものです。

どこまでできるかはわからないですが、自然はカフェイン中毒のようで、もっともっとと欲しくなるという著者の言うとおりになるといいな~と思いました。

完全な偏見ですが、イギリス人はフットパスを散歩し、フランス人はセーヌ川沿いでのんびりし、ドイツやフィンランドなど北の方の国になると、しょっちゅう森に行く、と思っていて、そんなヨーロッパの生活にずっと憧れていました。ということは、私も自然を欲しているのだな、と本書を読んで思い出しました。

とにかく週末には(まずは)公園に行かないと!と思わずにはいられない本でした。好きな習い事にせっせと通って忙しい我が子たちをどう巻き込むかが課題となりそうです。

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うり子
うり子

本書を読んだあとの最初の週末は残念ながら雨でした。せっかく本書を読んで、「公園に行こう!」とギラギラしているこの気持ちが消えてしまう前に早く、行動に移したいものです。しかし、今年もこれから猛暑の予報。どうしたもんですかねぇ。

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