【読書感想】ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上) J.K.ローリング

読書

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前作でヴォルデモート卿が蘇り、ハリーは、その現場で友人の死という辛い経験をすることとなった。このことに対して魔法界は大きく揺れ動く。その不穏な動きがずっと続く上巻だった。

休暇中人間界にいるハリーは魔法界の動きが全く分からず悶々とする日々を送る。そんな時になんと、ハリーといとこのダドリーの前に吸魂鬼が現れる。
やっとロンやハーマイオニーと合流できたハリーは、不死鳥の騎士団なるものが結成されていることを知るが、動きがよくわからない。
一方で、自分とダドリーを吸魂鬼から守るために魔法を使ってしまったハリーは、懲戒尋問にかけられる。
魔法界はどうやら大きく分けると、ハリーを信じるものと、ハリーを嘘つき呼ばわりする者に二分できるようだった。後者はダンブルドアにも因縁をつけ、ホグワーツから追い出そうとしている。なんと、その中心が魔法省。魔法省はヴォルデモート卿の復活を信じず、ダンブルドアさえ疑う始末。
ダンブルドアの力添えもあり、なんとか懲戒尋問を乗り切ったハリーだが、ホグワーツに戻ると、大臣ファッジがホグワーツに送り込んだ「闇の魔術に対する防衛術」の新任教師のアンブリッジに目の敵にされてしまう。魔法省はアンブリッジを使って、ホグワーツを魔法省の思惑通りの学校に作り替えようとする。
アンブリッジのやり方が気に食わないハリーはことあるごとに癇癪を起し、結局罰則を食らってしまう。ハリーも10代の血気盛んな若者。マクゴナガルやハーマイオニーに抑えるよう言われてもなかなかコントロールできない。
さて、この上巻、ハグリッドがずっと不在でハリーたちは心配でやきもきする。
ダンブルドアもこれまでのようにハリーに気軽に声をかけてくれず、不安が募る。

そんな中、アンブリッジの「闇の魔術に対する防衛術」が全く役に立たない理論ばかりの授業で嫌気がさしている生徒たちに、ハーマイオニーが、ハリーが「闇の魔術に対する防衛術」を教えることを提案する。ハーマイオニーの呼びかけに集まった生徒は25人ほど。奇しくも不死鳥の騎士団と同じように自分たちで組織を結成することとなる。組織名はダンブルドア軍団(通称DA)。集う場所は「秘密の部屋」。必要だと思う人の前にだけ現れる部屋。「あったりなかったり部屋」という呼び方もあるようで、こういう発想、いいな~好きだな~と思った。

ヴォルデモート卿の復活を信じない魔法省、かつてのヴォルデモート卿の手下たち、そしてダンブルドアをはじめとするハリーの味方。分裂する魔法界。こういった分裂こそが、ヴォルデモート卿の力をより強くする。大きな動きはない上巻だが、伏線がたくさん張られたような、これから起こることのための地盤がしっかり固められたような・・・。

上巻ラスト、クィディッチの試合では憎きマルフォイたちに勝利はするものの後味悪いことが起こる。マルフォイの憎たらしさは、逆に関心してしまうほど。これほどのいじめっ子もなかなかだと。追い打ちをかけるようにホグワーツでの権力を欲しいままにしていくアンブリッジ・・・

そんな失意の中、希望の光のようにハグリッドがやっと帰還する。
レビューというか、大まかなあらすじになってしまいました。下巻に続きます。

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うり子
うり子

うむむ。いつも楽しいホグワーツでの生活が今回は灰色にかすんでいました・・・。いつもと違ってダンブルドアがハリーにやさしい声をかけたり、接触してこないことに不満が募っていくハリーは、何につけてもイライラとしている本作の上巻でした。続きが気になります!

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