【読書感想】脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 ジョン J.レイティ

読書

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私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

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以前読んだ、「NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる」と「BORN TO RUN」とともにおすすめされていた本なので、これは読まねば、と思い購入すること数か月前・・・積読本の下の方下の方へいっていたのをなんとか救出して、やっと読み終えました。
序文からなんともわくわくさせられる書き出しで、運動したらどんないいことが脳に起こるんだろう!と、全く運動していないことを棚にあげて期待に胸を膨らませ読みました。
目次はこんな感じです。
第1章 革命へようこそ―運動と脳に関するケーススタディ
第2章 学習―脳細胞を育てよう
第3章 ストレス―最大の障害
第4章 不安―パニックを避ける
第5章 うつ―気分をよくする
第6章 注意欠陥障害―注意散漫から脱け出す
第7章 依存症―セルフコントロールのしくみを再生する
第8章 ホルモンの変化―女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢―賢く老いる
第10章 鍛錬―脳を作る

ざっと目次をみただけでも、こんなことにもあんなことにも運動は効果があるんだと本文を読まなくてもわかると思います。そうです、もうこれは、各章、やっぱり運動は効果があるよね、運動はした方がいいよね、という結論ありきなのです。でももちろん、そんなことなんとなくわかるよ、運動がどこにどう作用して効き目があるのか知りたいよ、という方のために、本書はかなりたくさんの実験、実証、データをもとに一般の読者にもわかりやすいよう説明してくれる、とても説得力のある本でした。よく見聞きするニューロンだとかシナプスだとかのほかにもたくさんの脳科学用語(?)が出てくるので、正直ちょっと読み進めるのに時間がかかりましたし、途中ちょっと飽きたりもしましたが、ぼんやりと「運動は効果的!」といわれるよりは、ダイレクトに「運動は体を鍛えるだけでなく、脳も鍛えてくれるんだ!」、「運動しないと!」と思える良書でした。翻訳本としても、最近読んだどの翻訳本よりも大変読みやすかったです。

ひと昔前は「うつ」なんかは「心の病気」といわれていた気がします。あまり詳しくないので、間違っていたら申し訳ないのですが、なんとなく「うつ」や「不安」で日常生活に支障が出るくらいになってくると「精神的に弱い」だとか言われ、根性論でどうにかなるといった間違った認識があった気がします。しかし、本書を読むとこういった症状にも「脳」が関わっていて、今の医学では、脳内でどの物質が過剰なのか不足なのか、といったことまでが研究によってわかっているそうです。つまり、そこを改善することに注視すればよいということになり、それには適切な投薬はもちろんとしても、運動が大変効果的だということが示されているのです。これって、すごく希望のあることだと思います。あとがきで「この本で救われる人がどれほどいることでしょう。」という編集担当者の言葉がありましたが、本当にそうだと思いました。もしも、自分がこういった症状を自覚したら、「さぁ、運動だ!」とはなかなかならないと思いますので、大事なのは普段から運動を習慣にしておくということでしょう。そして、さらに希望を持てると思ったのは、脳は自ら修復機能を持っていて、それが運動で促されるということでした。やはり普段から運動を習慣に・・・(以下省略)。

「BORN TO RUN」を読んだ時にも似たような表現があったと記憶していますが、人間は走って進化してきた、人間は走るべく生まれついている、ということが本書の最後の方にも出てきます。人間が進化する過程には、例えば、生き延びるために走って逃げるなど、体を動かすということが不可欠であり、体を動かして進化してきて、それと同時に脳も進化してきたということ。「だから」というつながりが正しいかはよくわかりませんが、人間にとって運動はやめるべきではものではないんだな~と感じました。本書でも、「ソファにどっかり腰をおろすという習慣が、この100年のあいだに本能としてDNAに組み込まれたわけでもない。座ってすごすことの多い現代の生活は、わたしたちの遺伝子とも矛盾しているのだ。」とはっきり言いきっています。

さて、どんな運動が効率的かということになると、ほとんどの章で示されていたのは(各章で効果的な運動が示されている)、そこそこきついくらいの強度の有酸素運動だったと思います。(これには、いわゆる筋トレのような運動をラットにさせて実験をやるわけにはいかないなどの理由で、無酸素運動による有効な実験データが少ないといった事情があるようですが。)毎日多忙な現在を生きる私たちには、時間をかけての有酸素運動は、簡単なようで一番難しい気がしますが、本書を読み終えた方なら、「運動したいな」から「運動しなきゃ!」に意識が変わると思います。

まずは「運動すること」を習慣にしたいと思います。ある程度習慣化できたら、有酸素運動(それも強度も考えながら)、筋トレ、ヨガなのどの柔軟性を高めてくれるもののバランスを考えていけたらいいなと思いました。

良い刺激を与えてくれる素晴らしい本でした。

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うり子
うり子

まずは運動をする時間確保が必要だな・・・子どもの習い事の送迎の間にまずはウォーキングから・・・などと頭の中では計画がいっぱいなんですが、なんせこの残暑!でももう少し季節が進めば運動しやすくなるはずですので、始める機会を失わないように意識しておきたいと思います!

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