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談話室で「笑えるエッセイを教えてください!」と投稿したところ、おススメしていただいたものです。(おススメいただいたものは少しずつ読んでいこうと思っています。)
「読んでも何の役にも立たないけれど・・・」と背表紙にあって、まぁ、エッセイにはそういうものもあるよね、と軽い気持ちで読み出しました。読み始めてわりと早い段階で気づきました。びっくりするほど、本当に、そうでした。
でもですね、これが本当に面白いんです。そして、なぜかすご~く勇気づけられます。ということはめちゃくちゃ役に立っているんです。何、この矛盾。
北大路公子さん、本書執筆時点で、40代、独身。好きなもの、昼酒。座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」。
このプロフィールまんまの内容でした。こうやって本を出版できるくらいですから、観察眼は鋭いだろうし、おもしろおかしいエピソードなどをよく覚えているし、文章も軽快ながら言葉選びが的確で読みやすい。
なのに(接続語が変な気もしますが)、まぁ、ぐうたらな生活。すっぴんで一人で昼間っから酒を飲むわ、友人たちと酒を飲んではぐでんぐでんになるわ、物忘れは激しいわ、消火栓をポストと間違えるという醜態を公衆の面前でさらすわ・・・
なんかね、新しい手帳を前にして(あ、私、10月から手帳を変える派なんです)、「やりたいことリストいっぱい書くぞ~!毎日ヨガ!TOEICスコア更新!」なんて思っている自分がちっぽけに思えましたし、ここ数日きちんとした夕食を準備できずに、レトルトカレー、冷凍餃子などに頼ってしまい、子どもたちはむしろ喜んでいる気がしますが、それを含め「なんだかダメだな~」と落ち込んでいることがアホらしくなってきました。ほら、勇気がでるんです。公子を見てると。(「公子さん」ではなく、「公子」と読んじゃいたい気分なのです。)
ちなみにお父さんもだいぶ面白いです。お母さんはまともそう(?)ですが、本書では何度も骨折しています。妹さんは隣に住んでいて、旦那さん、娘さんがいるそうです。
日常のなんてことのないエピソードに無駄な妄想がくっつき、ぐふふという笑いを誘うところもあれば、妄想なんかなくても、事実そのものがおかしすぎてガハハと笑ってしまうところもあります。
繰り返しになりますが、北の大地でこんなおかしいことが起こっているんだと思うと、北の大地に公子がいるんだと思うと、なんだか勇気が出ます。(余談ですが、北の大地が本拠地の日ハムは現在、我らがホークスと首位攻防戦を繰り広げています。これは余談ではないですが、「北大路公子」というペンネームは北海道に日ハムがきたことに由来しているもので、出版社社長からつけられたものだそうです。)
本書エピソードはもうだいぶ前のことのようです。このあとも何冊も本が出版されているよう。最近の公子がどうしているのか気になります。
落ち込んだ時などに、少しずつ北大路公子さんのエッセイを読んでいきたいと思いました。
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こういう本は「癒し」みたいなものです。心の養分になります。楽しかった~!
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