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梨木香歩さんがカヤックをされたり、散策というよりは本格的なトレッキングとでも言った方がよさそうな活動を通して、水辺に親しみを感じていることは様々な作品から知っていたつもりでしたが、それが具体的にこういうことだったんだとわかる作品だったと思います。
カヤックで水辺に漂ったまま読書に没頭する姿なんて、まさしくヤービのウタドリさんそのもので、ファンとしてはなんだか嬉しくてたまらない場面でした。
国内のみならず海外の気になる水辺にも足を延ばしているようで、若さゆえの勢いとでもいうのか、宿を決めずに気ままに旅したりすることもあったそう。そんな自分の姿の延長に、あの、イラクで命を落とした青年を見たりしていて、その記述には、はっとさせられるものがありました。今まで忘れていたこのことが急に胸に迫ってきました。本作品でこの青年に思いをはせる場面は一回ではありませんでした。どれほど、あの事件が、あの青年のことが梨木さんの心を抉ったのか・・・
また、水辺と陸地の境界をあいまいなものにする沼地のように、「魔」の世界とこちら側の境界に敏感に気づく梨木さんにも「らしさ」を感じました。梨木さんだからこそ感じたゾックとした瞬間はたくさんあったのでしょう。
不思議なもので本作品を読み出したとたん、カヌーとかカヤックに関する記述を短期間に複数回目にしました。あの人も、この人も、カヤックを楽しんでいるなんて!と急に視野が広がった思いがしました。
大変心地よい読書でした。心を落ち着けたい時などにとても良い作品だと思います。
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カヤックって確かに水辺に漂うカモなどの生き物と可能な限り同じ高さの視線になれますし、モーターやオイルで水辺をうるさくすることもない、素晴らしい乗り物ですね。昔、西表島だったか、石垣島だったか、カヤックでマングローブの中を漕いだ記憶があります。私の記憶が確かなら・・・。またそこに行ってみたくなりました。

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