【読書感想】西の魔女が死んだ 梨木香歩

読書

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私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

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これはもう有名で大人気の本ですね。私にとっては、梨木香歩さんの作品で一番最初に読んだ物語で、梨木香歩さんの作品をもっと読みたいと思うきっかけになった本。梨木香歩作品の中では、三本指に入る大好きな物語。といっても、今回は3~5度目くらいの再読かな・・・。珍しく積読がなくなったので、本棚から抜き出してみた。

今回も初読みの時と同じで、ラスト3ページくらいから涙が溢れ、最後の「アイ・ノウ」で号泣。
何度読んでも、おばあちゃんがいなくなったという悲しさだけではない何かが胸を突く。

まいのおばあちゃんは素敵な人だ。まいを預かることになって、こう言った。
「まいと一緒に暮らせるのは喜びです。私はいつでもまいのような子が生まれてきてくれたことを感謝していましたから」
私は思った。あぁ、まいみたいな子はきっと大丈夫、と。
まいもちゃんとわかっていて、だから最後、おばあちゃんがまいとの約束を覚えてくれていたことに気がつくと、「まいはその瞬間、おばあちゃんのあふれんばかりの愛を、降り注ぐ光のように身体中で実感」できたのだ。

まいの魔女修行は、規則正しい生活をして、自分で考えて自分で決めるようにすること。なんて当たり前で難しくて尊いことなのだろうと思う。それを暮らしの中で少しずつ教えてくれるおばあちゃんは自分のことをオールドファッションというけれど、その姿勢・思考・暮らし方は決してオールドファッションではなく、人間らしい生き方にはこれからも必要なものだと強く思う。

まいのように感受性豊かで、しかも多感な時期の子にとって、おばあちゃんが教えてくれた死生観はどれだけ救いになっただろうと思う。最近私自身の死への考え方がまいのお父さんが死について話したその言葉通りだったので、違う意味で、しかもあまり望んでいない形で、この物語が私の中に残っていたんだと苦笑してしまった。死について何が正しくてどれが本当なのかなんてわからないけれど、私もおばあちゃんのように死を捉えてみようと素直に思った。魂の脱出が成功したら、守りたいもののそばにその後も寄り添える気がして、それって素敵、と思ったから。

児童文学ということもあって、短時間で読めてしまう物語ですが、本当に本当に素敵な物語です。多くの人に手に取ってもらいたい作品です。

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うり子
うり子

梨木香歩作品が好きなので、レビューもすこし熱が入りすぎているかもしれない、と思いつつ・・・やはり、何度読んでも「好きだな~」と思う物語でした。

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