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「八月の御所グラウンド」シリーズ第2弾とかいう触れ込みだったと思うので、もうそれはそれは張り切って図書館に予約を入れました。ポチっと。どれくらい待ったでしょう。やっと手元に届きました。
本作、「続編」ではないです。京都を舞台にした、日本史ミステリーという点で、確かに「シリーズ」として同じ括りにしていいな、という感じです。
二つのお話が収録されていて、一つ目の「三月の局騒ぎ」は短いお話で、小品といったところでしょうか。ドカンと衝撃的なことが起こるわけではなく、しっとりとした雰囲気をまとったお話で、印象が弱いかもしれませんが、私は好きでした。この主人公が「八月の御所グラウンド」に収録されている「十二月の都大路上下(カケ)ル」につながっていくところは、読者として「うはっ」と嬉しくなる瞬間ですね。この瞬間がたまらんです。
そして二つ目のお話が表題の「六月のぶりぶりぎっちょう」です。「三月の局騒ぎ」に比べるとだいぶボリュームがありましたが、サクッと読める歴史ミステリーでした。「八月の御所グラウンド」からここまでの4作品で一番「ミステリー」だったと思います。
「ぶりぶりぎっちょう」なんて、さすが万城目さんは変な言葉を考えつくわ~と思っていたら、本当に実在したものだそうです。平安時代から始まり、江戸時代には儀礼化された、木製の杖を使って木製の球を打ち合う遊びだそうです。へぇ~。
そしてこのお話の題材は、歴史に疎い私でももちろん知っている「本能寺の変」。明智光秀がなぜ謀反を起こしたのか、明智光秀がすぐに殺害されてしまっていることなどから、その真相はよくわかっていないまま・・・夜の京都で、真相を知りたいとそこまで強く願ったわけではないのですが、高校の歴史教師である主人公は、6月2日が繰り返される世界へ誘われてしまいます。
これがまた、おっかなびっくりのとんでもない世界でした(←語彙力よ・・・)。ネタバレしたくないので(うまく自分の言葉にできないので)、詳細は書きませんが、最後のところだけ、書かせてください。この世界から元の世界に戻るとき、長持ちが登場します。無事に元の世界に戻れるよう案内してくれたのは森蘭丸。「本能寺の変」で主君信長とともに最期を迎えたと言われているあの蘭丸。長持ち、蘭丸。長持ち、歴史上の人物。長持ち・・・。そうです!「ホルモー六景」の「長持ちの恋」を思い出したでしょう?!これが言いたかっただけなのですが、共感してくださる万城目学ファンはいるはず。
元の世界に戻った主人公の前に、信長が現れます。信長は言います。京都には自分のような往生際の悪い奴がうろうろしていると。「京都ならさもありなん」ですね。私だったら歴史上の誰に会いたいかな~なんて考えてしまいます。
「静」と「動」、少し軽いミステリーと、結構重いミステリー。真逆の物語がとても良いバランスだったと思います。京都の魅力を再度感じながら、過去と現在を楽しめる良質な物語でした。
12月、8月、3月、6月・・・ときました。あと8か月分、京都が舞台の日本史ミステリーが続いたら最高だな、と思いました。
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やっぱり、京都を舞台にした万城目学さんの作品は、心踊りますね〜!絶対に、「そうだ、京都行こう」ってなりますもん。まぁ、行けないけど、なかなか。


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