【読書感想】その復香讐、お預かりします 原田ひ香

読書

ブクログに投稿した感想をこのブログにも載せています。

私の本棚はこちら。良かったら寄って行ってください。

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職場の人が貸してくれました。何を勘違いしたのか、「原田マハ」さんの本だと思って読み始め、なんとなく文章が違う気がするな~と思って、改めて表紙を見てみて、「原田ひ香」さんの作品で、”原田違い”だったことがわかりました。ズコー!
実は原田ひ香さんの作品はこれまで一冊(「三千円の使いかた」)しか読んだことないけれど、あぁ、原田ひ香さんなら、こういう感じよね、わかるわかるといかにも知ったように読み進めました。とても読みやすく、テンポよく進んでいくのです。(と、ここまで書いて改めて調べてみたら、もう一冊(「ギリギリ」)読んでいました!しかも、自分のレビューを読んでもあんまり覚えてなかった!ズコー!)

本書の感想ですが、面白かったです!先述したように、わかりやすく読みやすい文章で、テンポよく進んでいくので、スイスイ読み進んで、一気に読み終わってしまいました。

主人公は訳あって、とある人に復讐をしたいと思っている神戸美菜代。彼女が、腕がいいと評判の「復讐屋」、成海慶介を訪ねるところから物語は始まります。成海が美菜代の依頼を引き受けてくれないので、美菜代は復讐を学ぶために成海事務所へ押しかけることにします。その事務所にやってくる復讐をしたい人たちの話が5話描かれています。

「復讐屋」なんて、なんともきな臭く、裏社会のような暗いものを感じてしまいますが、どの短編もあっけらかんと明るく、なんなら爽やかでさえあります。

私が、これまで「復讐したい」と思い詰めるほどのことがなかったからか、「復讐したい」という気持ちにそこまで共感はできなかったけれど、共感できなくとも楽しい小説でした。ラストの高遠まさの依頼には、うわぁ、最後はそうきたか~と感心しました。その人の根底にある善良な心持ちがそうさせるのか、真相はわかりませんが、復讐心が翻って自分に向かったのだとしたら、人間の心って深いな~と思いました(←感想が、浅い笑)

成海の信条は「復讐するは我にあり」。
いい言葉だなーと思いました。この言葉は新約聖書にある言葉だそうです。(この言葉の真相を知りたい方はぜひ本書を読んでみてください。)

しかし、最後の短編で明らかになる成海慶介の過去はいきなり重すぎました。しかも、美菜代も読者の私たちもそれを知らされるだけ知らされて、それ以上どうにもできない(そもそもどうしようもないことだけれど)もどかしさが残りました。成海の過去を知ってしまうと、なおさら、「復讐するは我にあり」という言葉が胸に残ります。
面白かった~。

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うり子
うり子

最後までちょっとつかめなかった成海が、その過去も含めて気になるので続きが読みたいな、と思うような作品でした。シリーズっぽい作品だと思いましたが、どうやら続編はないようです。

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