**********
談話室で「笑えるエッセイを教えてください!」と投稿したところ一番乗りでおススメしていただいたものです。(おススメいただいたものは順番に読んでいこうと思っています。)
著者のことあまり存じ上げなかったのですが(すみません)、ググってみたところ、「あー、なんか知ってるかも」と思いました。
タイトルは、スポーツ中継のアナウンサーがある局面にくるとよく言う「わからなくなってきました」という紋切り型の言葉から。これに対して「わからないでは困る」と独特の思考を展開する。
ずっとこんな感じで、普段私のような凡人がなんとも思わない事柄に対して、予想もつかない方向に独特の思考を発展させていく。「わからなくなってきました」に目をつけるところから、さすが、と思いましたが、全体的に「そこ?!そこに目をつけちゃったか~」というテーマが多くて、才能のある人と凡人の違いというものをわかりやすく見せつけられた気がします。うらやましい。「何でもないようなことを拾う→人とは違う思考の展開を見せる→なんなら人を笑わせることができる→自分なりの考えを着地させる。」こういうセンスってどこで磨けるんでしょうねぇ。
胴上げについてでは、胴上げの競技化にまでに思考は発展するわ、子どもの持ち物には名前を書くということについては、なぜ下着にまで名前を書かなければいけないのかと疑問に思い、「子どもはところ構わず、パンツを脱いだりしちゃうとでもいうのか。むしろ私は、大人のほうが、ところ構わずパンツを脱いじゃったりするのではないかと思う」と書いて読者の笑いを誘う(少なくとも私は「うまい!」と思いました)。
ひとつの些細なことに対して、読者が予想だにしない仮定にもっていったり、空想を繰り広げたりするのは、さすが、劇作家だと思いました。こんな風に、はたから見れば遊んでいるような思考の展開が、著者にとってはきっと物になるというか、何かにつながっていくんだろうな~。
あまりにも独特なので、たまに、それこそ「わからなくなってきました」的なところもありました。全てツボにハマるかというとそうでもないですが、ひとつひとつは短めなので、ツボっちゃうものや、ついつい笑ってしまうものは必ずあると思います!
「アハハ」と笑うというよりは、ついつい口元が「ニヤリ」としてしまうといったエッセイでした。ついつい通勤電車の中で読んでしまった時も、マスクの中で口元は常に「ニヤリ」としていました。
**********
ブクログで他の読書好きさんたちと少し交流できて嬉しかったです。いいですね、こうやっておススメの本を教えてもらえて、知らなかった本を手にする機会が生まれるって!素晴らしい!ブクログやっててよかった!
コメント