【読書感想】成瀬は信じた道をいく 宮島未奈

読書

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図書館で予約しても、まぁすごい数の予約が入っていて、こりゃいつ読めるかわからないぞ、と思っていたのですが、文庫本が出たということで、母が買って貸してくれました。
(前作はとても楽しくて、成瀬も島崎も大好きなのですが、自分で買おうとは思わなかった・・・。)

成瀬第二弾も成瀬らしさがそのままで大変面白かったです。
一話目は、後に成瀬の弟子になる小学生の視点から、二話目は意外と普通だと一瞬思わされたけど、ちょっと個性的な成瀬の父の視点から、三話目は成瀬のバイト先のクレーマーなお客さんの視点から、四話目は成瀬と一緒にびわ湖大津観光大使に就任した篠原の視点から、そして最後は島崎の視点から。

成瀬はあの独特な話し方から、初対面の人とのやりとりにはこちらがドキッとさせられますが、どの人も「この子ちょっと変わってる」と思いながらも、なんだかんだ成瀬に苦手意識が芽生えたとしても「怒り」とか「大嫌い」というような強い負の感情は抱かないようで、それこそが成瀬の魅力なのだと再認識しました。成瀬はあんな話し方で基本表情に乏しいけれど、自分の信念に真っ直ぐすぎるほど正直で嘘偽りがなくて、他人に対する、普通の人なら持ち合わせているだろう妬みや疑いなどが薄いために、意外にとすっと他人に受け入れられるんじゃないかと、三話目と四話目で思いました。
三話目なんて、通常眉をひそめてしまいそうなクレーマー体質の女性なんですが、成瀬はその女性のクレームを評価しており、さらに万引き犯を捕まえる協力依頼までしてしまう。もう、読んでいるこちらとしては「え~!」と思いましたが、その女性の「なんで無償でそんなことやんないといけないのよ」的な発言に、素直に「それもそうだ。」と謝って去っていく。ここが成瀬なんですよね。
四話目も、成瀬とは全く違うタイプの篠原となんがかんだうまくやっていて、成瀬が成瀬らしく、素直だからだな、と感心しました。そして篠原にもいい影響を与えている。

そして、最後の島崎視点のお話は、これまで本書で関係を築いてきたみんなが関わって成瀬を大捜索!いや〜うまくまとまっているし、人間関係が希薄な現代において温かいお話でほっこりしました。島崎は、やはり成瀬にとってとても大きな存在なんだと思うと同時に、島崎がクレーマー体質女性と夫の力関係に疑問を持ったり、篠原に嫉妬したり、島崎の感覚がなんというか一般的な人に近くてちょっとほっとしたりします。

それにしても、成瀬シリーズが不思議なのは、結構軽い読みものだと思うのに、でもその他の「軽かったな」と思う小説とはちょっと違うということです。軽いのに、軽くない。不思議です。やはり「読み応え」があるということでしょうか。成瀬のキャラが突き出ていすぎて、読みごたえがあるのでしょうか。いずれにしても、次作も楽しみです。

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うり子
うり子

ブログ更新が久しぶりになってしまいました。子どもたちが夏休みに入るとなんだかんだリズムが狂うし、発表会だ旅行だ、となかなかゆっくりする暇がなくなってしまいます。それでも細々と書いているレビューは溜まっているので、また少しずつ更新していきたいと思います。

成瀬、楽しかった!

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