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初めは、失礼ながらありきたりだな~と思いました。学生時代の恩師と疎遠になったものの、その恩師の余命が少ないと知り、訪ね、残りの時間を一緒に過ごす。そこで、恩師らしく、昔に戻ったようにまた「いいこと」を語ってくれる。
実際、モリー先生がミッチ(筆者)に語る内容は、学問ではなく、人生について。愛が大切だとか、家族の大切さだとか、他人も自分も許せとか。
確かに、死を前にしたモリー先生の精神的な強さ、他人への思いやりは素晴らしいけれど・・・なんて思っていましたが、読めば読むほど、その短絡的な感想が恥ずかしくなりました。
モリー先生は一貫して「愛」について、ミッチに最終講義をしたんだと思いました。そう、「愛」の大切さなんてわかってるよ、と思ってしまいそうですが、きっと私たちは「頭でわかっている」だけで、「こころ」ではわかっていないし、普段の生活でそれを表せない。訳者あとがきの受け売りになりますが、こんなにも「愛」について正面切って語ることはなかなかできないのではないかと私も感じました。だからこそ、多くの読者が感動するんだと思います。
より多くのもの、かねに価値を見る文化について、「文化がろくな役に立たないんなら、そんなものいらないと言えるだけの強さを持たないといけない」というモリー先生の言葉がとても心に残りました。
人間をより人間らしく、自然の営みの一環として、普段の生活から「こころ」から「愛」を感じ、その「愛」を表現できない文化、人間を疲弊させ、死の間際において「こんなはずじゃなかった」と思わされるだけの文化は、いらない。
自分なりに「愛」を考え、家族はもちろん、もっと広く自分なりの「愛」を惜しみなく与えられるような、そんな人間になって、そんな人生を送って、そしてモリー先生のような幸せな死を迎えたい。
素直にそう思える読書でした。
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モリー先生が周りの人と温かな関係を築けるわけは、惜しみなく「愛」を与えているからかな・・・
読めば読むほど味わい深い、そんな本だと思いました。

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