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色褪せない」とはこういうことなのか、と思わずにはいられませんでした。
本書は1963年に暮しの手帖社から出版されたものの新板とのこと。1963年!
その時代に、アメリカに留学し、その後パリで歌手としてデビュー、仕事とはいえ、ヨーロッパ各地を訪れている筆者が当時の一般の人たちから憧れの目を向けられていたであろうことは想像に難くないですが、たびたびそのような恵まれた環境についての記載があることを除けば、本当に食いしん坊が書いた美味しいものの思い出という内容でした。
わりとシンプルに、余計な言葉を使わずに、美味しかったものの思い出を語り、簡単な文章で作り方を紹介する。それがすごく良い味わいとなっているエッセイだと思いました。美味しいものを食べたい、美味しいものを人にも食べさせたい、というシンプルな思いが伝わってくるからかもしれません。
戦時中のひもじさも書かれてあって、それを知らない世代としては、そこからの「美味しいものを食べられる」ということへの喜びは大変なものだったのだろうと・・・。
それにしても、初めて目にするようなものも臆せず食べる筆者は筋金入りの美食家だと思いました。それでも、高級かそうでないかではなく、とにかく美味しいものを食べたい、食べさせたいという気持ちが強い人だったのだな、と思いました。
素敵なタイトルも本書の魅力ですね。
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うり子
概して食いしん坊は料理上手ですよね。料理が上手な人にとても強い憧れがありますが、著者みたいに何でも臆せず食べるってことがなかなかできないからな〜。旅先でも安全牌を狙ってしまいます。
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