**********
「食べることは、生きること」
単刀直入に、私たちが料理をする意義を伝える言葉だと思います。好き嫌いに関わらず、料理をするということは、誰の人生でも一度は関わってくるのではないでしょうか。
本書は、料理が苦手だったり、料理は難しいと思っている女性10人に、料理をイチから、というか、買い物の仕方から教えたドキュメンタリー。
著者は36歳でリストラされ、一念発起パリに渡り、世界屈指の名門料理学校ル・コルドン・ブルーを卒業したキャスリーン という女性。この学校の名前だけで、あまりよく知らないながらも、美味しそうなレシピが期待できます。
あるスーパーマーケットで、インスタント食品ばかりをカゴに入れている女性を目撃し、彼女にもっと安く、生の食材で同じ物が自分で作れることを教えたことをきっかけにこのプロジェクトを思いついたというキャスリーンですが、普通の料理教室と違ってまさに「プロジェクト」だなと思ったのは、まず10人の家を訪れ、冷蔵庫など食品保管の実情を見せてもらい、実際に何か料理してもらうことから始めたことです。その後、10人を集めて実際の料理教室を開きます。包丁の持ち方から始まり、丸鶏をさばいたり、例えば肉の専門家をよんで、それぞれの部位を説明してもらったり、数種類もの同じ食品を買い集めてみんなでテイスティングしたり。一連の料理教室が終了した後には、またその10人の家を訪ねています。
まず、思ったのは「この料理教室に参加したい。羨ましい。」ということでした。よくよく考えてみたら、料理をきちんと習ったことはなく、かなり自己流でやっている気がします。それでもキャスリーンに言わせれば、料理をそんなに難しく考えないで、とにかく楽しくやって、ということなのでしょうが、それでも知っておいて良い基礎はたくさんあるはず。
料理は皆さんが思っているより複雑なものではなく、割とシンプルな味付けや方法でこんなにも美味しいものができるのです、ということをレッスンを通して伝えていて、確かにそうなのだと思います。それは、今まで色々と読んできた料理家のたくさんの方が言っていることと同じです。
そして、市販されているもののほとんどは自分で作れる。ほら、市販品に何が含まれているか表示をよく見て。こんなにもわからないもの(体に良くなさそうなもの)が入っているんですよ。という主張もよくわかりますし、それが正しいこともよくわかりますが、それでもやはり市販品に頼らないと、一日何時間キッチンに立ってればいいの!という事態になりかねないので、要はバランスだと思います。それこそ全てを手づくりに!なんていうことになると、また料理が嫌になりかねません。それでも、自分が買おうとしているもの食べようとしている市販品に何が含まれているか、それは自分の中で許容範囲か見定めていくことは大事だと思いました。
もっとも印象的だったのは、まとめ買いをするのではなく、2日程度で消費できるように買い物をする、というアドバイスでした。料理以前のことですが、これはとても大事な教えだと思いました。というのも、私自身が最近身をもって実感していることでもあるからなのですが、やはり、まとめ買いは一見お得に買い物できた気がしますが、どうしても無駄にしてしまう食材が出てしまいます。それにお得にまとめ買いしたものを3日後の自分は食べたい気分か、5日後にそれを使ったおかずを作って食べたいと思うかわからないものです。毎日買い物に行き、その日に食べたいと思う食材を買うことができるということが、どんなに贅沢なことか、よくわかります。私も子どもたちが小さい頃は、週に1~2回の買い物で、どうにかこうにか一週間をまわしていました。今、子どもたちが小学生になり、自分ひとりで仕事の後に買い物ができるようになり、この贅沢なことをじっくりと味わっているところです。確かに毎日や、2日に1回の買い物は時に煩わしいですが、献立も思いつきやすいし、何よりその日食べたいものを作ることができます。ライフステージによって、それが可能な時期とそうでない時期と色々あると思いますが、「2日程度で消費できるように買い物をする」というアドバイスは今後も心にとどめておこうと思いました。
翻訳書独特のやけに長い修飾語や、詳しすぎる不要と思われる説明が、読むスピードをだいぶ遅くし、斜め読みしてしまったところもありました。内容としては良いものなのに、これでは読みにくすぎると思ったのですが、読み終わって、あぁこれはドキュメンタリーだったんだ、と思うとそこまで悪くなかったのかもしれません。ただ、本書を丁寧に読んで、頭の中で映像化できる読書力は私にはありませんでした・・・。
なんだか、もう一度きちんと料理と向き合おうかな、本棚にあるお気に入りの料理本を引っ張り出してみようかな、と思える読書でした。
(あ、それと、本書で何度も出てきたジュリア・チャイルドが気になったので、メリル・ストリープの「ジュリー&ジュリア」を見ようかなと思いました。)
**********

タイトルは確かに良くなかった気はしますが、すごく意義のあるプロジェクトで、それを本を通して知ることができたのはとても良かったな、と思います。
映画「ジュリー&ジュリア」観ました!メリル・ストリープ、すごく良かった!しかも、ポール役がナイジェル(スタンリー・トゥッチ)だったとは!

コメント