【読書感想】鹿男あをによし 万城目学

読書

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まだまだ万城目ワールドに浸ります。
これは、どうしてもドラマ出演者の顔が浮かんできてしまって、映像化されたものを見るのも善し悪しだなーと思いました。
物語としてはもちろん面白いです。「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」に続き、これまた奇想天外な発想に驚かされますが、日本の危機が迫っているというのに、なんとものんびり穏やかな展開に思えるのは、奈良という舞台ならではでしょうか。(あ、ダジャレになった)
奈良には2回ほどしか訪れたことがありませんが、京都の混雑から逃れて、ふーと落ち着いて観光できた印象があります。いやいや今更ながらですが、歴史的にすごく貴重で好きな方にはたまらなく面白い土地ですね、奈良って。子育てがひと段落したら夫とゆっくり奈良を巡りたいな~なんて思っていましたが、これを読んでいますぐにでも行きたくなりました。

「ホルモー六景」を読んですぐあとだったので、「狐のは」が出てきた時には、「ひゃっは~」と思いました。こういう、作品を超えての小さなつながりを発見するのは、読書好きにはたまりませんね。

で、肝心なストーリーですが、鹿島大明神と奈良の繋がり、なまずのお話、そして卑弥呼の存在など、全くの作り話ではないものの上に、万城目ワールドが展開されていて、妙に説得力があるようなないようなふわふわとした感じがとても心地よかったです。先述しましたが、妙に穏やかで、悪人はいないし、動物はしゃべるし、なんというか安心して読めるというか。

どうにか事が丸く収まった後の、リチャードへのちょっとした仕返しや、マドンナも一緒の散歩(登山)、鹿との会話(ここで芭蕉がでてくるとは!)、ばあさんとの別れ、堀田との出来事など、余韻がまた良かったです。うまいお話の終わらせ方だな~と思いました。

児玉清さんの解説で「坊ちゃん」を意識した作品であることがわかり、自分の知識のなさにガックリ・・・

やっぱりこういうところなんですよね、すんごい突飛な発想から出来たお話だけど、実は万城目学さんのすんごい広い知識がここかしこに生かされている。

今回も存分に万城目ワールドを楽しみました!

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うり子
うり子

いやぁ~、奈良いいですね~。万城目学さんの作品では、その土地への愛が感じられますね。読み手としては軽く穏やかに読める物語ですが、万城目学さんが相当な予備知識をお持ちか、周到な下調べをされたうえで作品作りをされたのではないかと思いました。だからこそたくさんの人に読まれる良い物語になり得るのだなとつくづく思います。

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