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いや~、面白かった。文句なく、面白った。
1977年に刊行された本書は一度絶版になったそうです。それを文春文庫編集部の方が資料室で見つけ、「これはいい」と感じたことが2011年復刊の決め手になったとか。それからさまざまな要因がからんでいるのでしょうが、こんなにも話題の本となったということで、なんか、すごいですね。話題になるのも納得の面白さでしたし、読み応えがありました。「あぁ、小説を読んだ」という満足感がしっかりありました。なんというか久々に地に足のついたきちんとした小説を読んだという気がしました(きちんとした小説なんて定義は自分の中にもないのですが)。
昭和のまだまだ、平成の足音が聞こえてこない時代のお話なので、「戦争中は・・・」とかいう話題もたくさん出てきますが、不思議と古く感じない。私が昭和の人間だからということもあるのでしょうが、作者の筆力によるところもあるのでしょう。
それにしても復刊のきっかけを作った編集者さん、素晴らしいですね!グッジョブすぎますね。
”青磁の壺”が見聞きした市井の人々の暮らしというのでしょうか。全てのお話の片隅にこの「青い壺」があります。第一話はこの壺を作った陶芸家のお話。ここからこの青い壺はたくさんの人の手に渡っていきます。数奇な人生ならぬ壺生です。贈り物として所有者が変わったかと思えば、盗まれ、また売られ・・・。その先々で色んな人々の色んな暮らしがあり、それがひとつひとつのお話になっています。
こじんまりとしたスナックでの一夜の話も面白かったし、70代のおばあちゃま方のクラス会京都旅行の話も面白かったし(ひたすら老いや宿泊先の料理や旅の行程に不満タラタラでありながら、生き生きとしているおばあちゃまたちが、なぜか、とても面白かった)、その孫悠子の話も良かったな~。病院の清掃婦シメも良かった。スペインではどう過ごしていたのかと思いを馳せてみたり。
こう思い返してみても全てのお話の登場人物が生き生きと思い出されるし、なんてことのない日常も舞台のスポットライトが当たるように思い起こされるし、つまり、やっぱり、すごい小説だな、と思いました。
それにしても、毎度ながら青磁のことなど皆目わからず、自分の知識の無さが悲しいですが、どれだけ美しい壺だったんだろうと想像するだけでちょっとワクワクします。この壺を作った陶芸家が、時を経て自分の前に再び現れた自分の壺に対して、頑なな執着を見せなかったのが、心に刺さりました。美しい小説の終わり方でした。
ブクログでもたくさんの人がレビューを書いていて、気になりつつもまだ「読みたい本リスト」入りしていなかったのですが、知人に貸してもらい、ラッキーでした!「棚からぼた餅」のようにホクホクした読後でした。
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時代を経ても色褪せないってすごいですよね。こういうのこそ、名作というのだろうと思いました。

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